○獣拳戦隊
リアルタイムではないが実は結構前に見た戦隊。レッドがあれすぎるキャラでちょっと…。
○特徴・ストーリー
香港映画のような戦隊。特定キャラの名前は香港映画の名優たちがモチーフとなっている。
敵組織にもう一人の主人公(リオ様)が存在しているため、一話のストーリーに敵と味方の絡む割合が五割ずつとなっている。敵も味方も修行により学び変わるというテーマを活かしていると言える。
しかし弊害も出ており、味方追加戦士のキャラが薄く感じられる(拳聖の方達とか目も当てられない)。また話が進むたびにレッドとリオ様、ロンばかりが目立つため他のキャラ全て影が薄くなる異常事態に。さらに言えばVSゴーオンジャーが真のラストと言えるので、そちらの方も見なければならなくなるぞ。
○ゲキレンジャー
激獣拳を使う方々がスーツを身にまとった姿。レッドばかりがよいしょされていて他のキャラが薄いのが残念か。戦隊である必要性もないしね。523のみ紫激気という特殊な気で変身する設定。
前作と同じく戦隊に親会社(スポーツメーカー)がある。
・漢堂ジャン=ゲキレッド…バカ丸出しレッド。感情を主に「ワクワク」とか「ゾワゾワだ」とかいった感嘆符で表現する(つまりバカっぽい)。ただ武術にかんしては天性の才能があり、こいつしかでない、あいつしかできないといったことを軽々とやってしまう。そのバカさに似合わぬ強さのせいであまりキャラとして人気がない。ただ、ライバルとの確執やバトルは丁寧に描かれていることもあり、大きく二度に分けられるライバル戦はどちらもかなり燃える。またライバルと同じく真の大ボスと深いつながりがあるので、最後まで嫌悪感なく見れたのはグッドだ。…よくよく考えてみると、香港電影らしい主人公なのだな、と冷や汗を垂れてみる(※香港電影の主人公(七割方は)はギャグキャラが多い)。
・深見レツ=ゲキブルー…才能がある、と武術に青春を賭けてる人。しかし画家としての才能の方あるのかやたら高く売れる。武術なんかあきらめて…と思ったらロリに狙われたのでホイホイついていった。なんなんだコイツぁ…。
・宇崎ラン=ゲキイエロー…女だてらに舐めたらいかんで!と頑張る者の師匠がスケベな象のため困惑する。哀れラン…。
・深見ゴウ=ゲキバイオレット…通称523。まいったぜ、が決め台詞。紫激気というユニークな気を持つ。正直レッドを除いたら味方がわで一番影がある奴だったような、ね。
・久実ケン=ゲキチョッパー…ガテン系のメンチカツ大好き人間。激気研鑚という歴代の獣拳使いでさえ習得できなかった技を使う見かけからは想像も使い様な天才…なのだが、あっという間にレッドが習得してしまった。流石にこの展開は…と見ていて呆れた記憶がある。ただでさえ影が薄いのに存在意義消すとか脚本家何考えてんだよ、と。
・七拳聖…たたかうどうぶつたち。一応紹介しておく人はマスターシャーフーのみ。マスターシャーフーはネコ科のゲキレン達で一番のトップつまり猫、いや師匠であり、指令官である。なんかにキャラが似てるな、と思ったら安西先生だった。やわらかな物腰がね…。
○臨獣殿
臨獣拳アクガタを使う方々。正直こいつら…いやリオ様を応援していた。てかリオくらいしかいないじゃん、作中まともな努力して成長したの(戦隊のカタルシス全否定…)。
・理央=黒獅子リオ…
アナザー主人公。ゲキレンが皆を守るために自然と力が身についていくタイプだとすれば、リオは力のために力を欲すタイプである。そのためか、もしくは三拳魔の修行の厳しさもあってか、ゲキレンよりも努力しているように見える。いや、まあ悪だけど一応影の主人公だからまともに見えていいのか…。またジャンと同じくラスボスに両親を殺され、自身の人生をいいように弄ばれている(力を得ようとする意志目的さえも)。その事実に気付くのは終盤、死の直前となってしまったが、彼や臨獣殿の拳士たちのおかげで、真の意味で獣拳を一つになった。番組的にもストーリー的にも大きなキャラクターなのは間違いなのだろう。
・メレ…理央様大好きなお人。キャッチフレーズも「理央様の愛のために生き、理央様の愛のために戦うラブウォリアー」となっておりパッと見、敵とは思えないセリフである。しかも正々堂々とした闘いを好む敵女戦士(なんかアニメとかで人気のある設定だな)であるが、リオ様のためなら卑怯もラッキョウもなくなるぞ! ライダーも含めて、近年じゃ珍しいキャラの濃い、うざくない女性キャラだったりする(結構ワンパターンになることが多い。暴力女とか天然とかウザキャラとか)
・ロン=無間龍…リオやメレが悩んでいる最中に現れては助言し去っていく謎のキャラである。…が実際は本作のトリックスター。操り糸を手繰った先にある人物である。地球の有史以前から存在しており、退屈な年月を生きていた。そこで見つけたのが、類まれなる才能を持ったリオである。リオを見つけたロンは彼を幻獣王にし、世界を破壊させ(楽しも)うと画策。そのために獣拳の二つの流派に確執を起こさせ、リオとライバルになるであろうジャンの家族を皆殺しにした。戦隊史上もっとも陰湿なラスボスと言えよう。最近知ったのだが「ネクサス」のザギさんや「あやつりサーカス」の白金に似てるんだよなあ。
・バエ…巨大ロボ戦に実況を取り入れようとしたキャラ。元は激獣拳の人だったらしいが、メレにハエに変えられ、普段は彼女の胃の中で生活している…ご苦労様です。
・カタ…なんか最初は威厳たっぷりだったキャラだがマクが登場以降は某センチピードのオルフェノクみたいになってしまった…あわれ。
・ラゲク…なんなんだこのエロさは…と言わんばかりの言動の艶やかな人物。本作の真のヒロイン。
・マク…臨獣拳最強の肩書をもつ
ラオウクマみたいな人。東大寺の阿吽像に似ている。実際サイダインが出るまで誰も敵わなかったので暴れるだけ暴れて死んだイメージがある。しかも最終話では三拳魔揃って、ロンを倒す唯一の技をゲキレンに教える師範となった。三拳魔はなんだかんだで見せ場があってよろしかったな…七拳聖は…。
●総評
なんだかんだで平成ライダー以上に伏線は回収する戦隊シリーズ、その本領発揮と言ったところか。
途中まではみるのがつらかったが、敵さんのキャラの良さがいい感じに味方のアレさを中和してくれた。また二つに仲違いしていた流派が一つになって、真の怨敵を打ち倒す、という最終決戦にかけての物語の勢いは、戦隊屈指のラストと言えよう(最終回OPもまたすごい)。
まあ…不人気の最大の原因は…ジャンのキャラというよりは巨大ロボのてきとーさなんだと思うんですよ…。
10点 中
9点