○メタルヒーローシリーズ
東映が子供だけではく大人(言ってしまえばオタク)も対象に含め始めた作品群と言える。
今現在ギャバンからジバンにかけて見たが、当時の東映はこのシリーズに力を入れていたようだ。
例えばジャスピオンと同時期にやってたチェンジマンと比べても、ジャスピオンは当時の東映では珍しい巨大ロボの都市戦があるのに対し、チェンジはいつもの山の盆地で戦っている。
ストーリーの方も比較的荒は少なめで、1話1話の前後のつながりも密接になっている。戦隊は小学校低学年向けの安全牌として作られ、メタルヒーローは小学校高学年(SFオタ)向けで意欲的に作られていると言った感じか。平成ライダーも実はBLACKやRXではなく、この系列の遺伝子を受け継いでいると考えるとしっくりくる。
○宇宙刑事シリーズ
円盤、UFO、スターウォーズとかが流行っていた時代に登場した作品。
電子星獣ドル、レーザーブレード等にその影響がみられる。
中でもシャリバンは特にストーリーにもスターウォーズの影響が見られ、王道的だ。
・宇宙刑事ギャバン
初代宇宙刑事であり初代メタルヒーロー。
メタリックボディを輝かせ、レーザーブレードを振りかざ姿はメタルヒーローの代名詞となった(最も光る剣はスピルバンで終わったが)。
SFを意識した作りになり、設定や各種小物類、怪人等、当時の東映特撮の印象をガラッと変えた。
ストーリーはかなり渋く、事件の捜査中に行方不明となった父親を捜しながら、犯罪組織マクーを追い詰めていくというもの。父親とは物語の終盤再開するのだが、主人公一条寺烈役が大葉健二氏、父親役は千葉真一氏。なんと渋い。
他媒体では、ハンターキラーというライバル格の存在がやたら持ち上げられているのが印象的。
ちなみに裏設定で世界観がデカレンジャーと共通しており、宇宙警視総監という地位にまで出世している(ドギークルーガーとは友人になっている)。やっぱりミミーと結婚して逆玉にのったのか…。
・宇宙刑事シャリバン
二代目宇宙刑事。実は前作の終盤には主人公伊賀電が初登場し、最終回にギャバンの敵幹部を瞬殺しながら「宇宙刑事」として再登場した。
物語は非常に王道的で、自身がイガ星王家の血を引いていると知った伊賀電が、故郷を滅ぼした犯罪組織マドーを追い詰め、イガ星の再興を図るというものだ。
イガクリスタルの存在や伊賀獅子の剣などの設定も王道に拍車をかけている。
最終回はギャバンとのタッグで魔王サイコとサイコラーを同時に倒した(同時に倒さなければ死なない)。その後、新イガ星(予定)の惑星で伊賀電はイガクリスタル(これがないとイガ星にならないらしい)を使い復興作業に移るわけだが、イガ星人の血を引く地球の女子高生たち(なんと男がいない)も連れてきている。ハーレムでも作る気か伊賀さんは。
ちなみに
伊賀電役の渡洋史氏、大山小次郎役の鈴木正幸氏、プリンセス天功は、この後なんどもメタルヒーローシリーズ(ジバンまで)に再登場する。渡洋史氏はメタルヒーローで唯一主人公を二回やっている、鈴木氏はメタルヒーローシリーズに最多の登場率、プリンセス天功は戦隊シリーズにも登場すると覚えておこう。
・宇宙刑事シャイダー
三代目宇宙刑事。前前作が渋いSF、前作が王道だとすれば、こちらは怪奇性を推し出した作品と言える。なかでも「
不思議ソング」は作中何度も流れる劇中歌で不気味さと、驚異的な中毒性が存在する恐るべき曲である。
前作の魔王サイコ、今作のクビライも相当不気味だったが、クビライの孫の神官ポーがそれ以上に不気味。男なのに女役なのである。しかも劇中一番の悪役なのに最後は生き残ってるし…。この時期の東映はどうしてこんなに
オカマの敵役を出すんだ?
しかもクビライは大したことないというか、一万二千年前に宇宙刑事でもない単なる人間(戦士シャイダー)に胴体と首を切り離され、胴は封印されていた。戦士シャイダーどんだけ強いんだ。
また主人公を演じているのは円谷浩氏。円谷プロの御曹司である。演技力はあるし、イケメンなので問題はない。逆の事例として石ノ森先生の息子の小野寺丈氏はウルトラマンダイナに登場している(最近知って驚いた)。ダイナでは円谷浩氏と共演しているのも面白い。
ただ残念なことに、シャイダーよりもパートナーのアニーの方が人気になったのが玉にきず。
ちなみに前作までの宇宙刑事達は劇場版(一作目)と最終回後のスペシャルにしか登場しない。しかも劇場版のは絵(回想)だけ。